第二章 彼の息子?

第8話

俺は次の休みに凛をドライブに誘った。

渋谷の駅で待ち合わせた、車を道に横づけすると、約束の場所に凛がいた。

店で凛とキスをした日、デートの約束をした。

中々OKを貰えず、俺は初めて苦戦した。

こんなにデートの約束をする事が難しいとは思いもよらぬ事だった。


「凛、お待たせ、めっちゃ可愛いよ、その髪型」


「ありがとうございます」


「今日は紹介したい人がいるんだ」


凛は不思議そうな表情を見せた。


「祐、凛に挨拶して」


祐が車から降りてきた、凛はびっくりした様子で固まっていた。


「はじめまして、大和 祐です、いつもパパがお世話になってます」


「パパ?」


「祐は俺の息子なんだ」


「息子?」


「俺はバツイチで、こいつはお袋が見てくれてる」


凛はじっと息子を見つめていた、いきなり事実を突きつけられて戸惑っている様子だった。

しかし、息子の事は隠して置くことは出来ないと思い、早く事実を知って貰いたかった。


「祐くん、いくつ?」


「六歳です」


「そう、今日はパパとお出かけにおばさんも着いて行ってもいいの?」


息子は凛をじっと見つめて口を開いた。


「凛ちゃんはおばさんなんかじゃないよ、すっごく可愛いよ」


俺は息子の言った言葉に驚きを隠せなかった。そして俺は六歳の息子と張り合った。


「祐、凛はパパの大事な人だ、口説くんじゃねえ」


「大和さん、六歳の子に何言ってるんですか」


「もう立派な男だ、凛、祐の言葉にドキッとしただろ?」


凛は言葉に詰まり、下を向いた。


「凛ちゃん、僕と一緒に後ろに座ろうよ」


そう言って祐は凛の手を引っ張り、車の後部座席に座った。

俺は大人げなく息子に焼きもちを焼いた。

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