第11話

ほんと素直じゃないんだから、彼女はどんな人なんだろう、あっそう言えば私が泊まったらまずいんじゃないのかな。


「あのう、私が泊まったらまずいんじゃないですか」


「どうしてだ」


「だって、彼女さんヤキモチ妬きますよ」


「彼女?彼女はいないから安心しろ」


「嘘!」


「嘘じゃねえよ、酒呑めるだろ?付き合え」


私は勧められるままに一杯勢いよく飲み干した。


次の瞬間、ぐるぐると目が回り出し、カアーと顔が熱ってくるのを感じた。


「大丈夫か」


目がトロンとしてきて、なんかいい気持ちになってきた。


私はお酒に弱い、しかも悪酔いするタイプ。


目の前にいる人に絡んでしまうのだ。


海堂さんを目の前にして絡んでしまった。


「どうして彼女いないなんて嘘つくの?それに私は確かに隙だらけだけど、これでもちゃんと三十八年間生きてきました」


なんか部屋がぐるぐる回ってる。


「それに、わたひの初チュー勝手にしてかえひて」

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