第8話

パタンと車のドアを閉めて、車は男性のマンションに逆戻りしたのである。


男性のマンションに着くと、コンシェルジュの男性が挨拶をしてくれた。


「お帰りなさいませ、海堂様」


「悪いが車を頼む」


「かしこまりました」


「こいつ、しばらく俺と暮らすからよろしく」


えっ?、嘘、どう言うこと?


「あのう」


「何!」


「なんでもありません」


男性に睨まれて何も言えなかった。


困ってる私にコンシェルジュの男性が声をかけてくれた。


「はじめまして、いつも海堂様にはお世話になっております、わたくし、当マンションのコンシェルジュ山川と申します」


「はじめまして、間宮ちづるです」


私とコンシェルジュの山川さんが挨拶していると「行くぞ」と男性は私の手を掴みエレベーターへ向かった。


部屋に入ると「この部屋を使え」と奥のゲストルームを案内された。


「あのう、私は大丈夫ですから帰ります」


「また俺に車を運転させる気か」


そう言って窓のカーテン越しに外を確認した。

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