第一章 俺様御曹司との出会い

第4話

「助けて、いや」


「僕と付き合って欲しい、ずっと好きだったんだ、もう我慢出来ない」


見知らぬ男の荒い息が、私の首筋にかかった。


手首を掴まれ「僕の言う事を聞け」と頬に平手打ちをされた。


涙が溢れて抵抗する気力も無くして、私は観念した。


意識が遠のく中、言い争っている声が聞こえて、そのまま意識を失った。


気づくと、ベッドに横たわり、おでこにタオルが置かれていた。


身体中が痛い、私はあの男のものになっちゃったの?


タオルケットがかけられた身体を恐る恐る確かめると、ちゃんと服を着ていた。


下着もつけていた、多分間一髪のところで助かったのかな。


天井が高くて、高級な部屋だとわかった。


起きあがろうとした瞬間、部屋のドアが開いて男性が入ってきた。


「気づいたか、ずっと眠っていて起きなかったらどうしようと思ったよ」


誰?私はどうしてこのベッドに寝ているの?


しかもその男性は顔に怪我をして、唇が切れている。


殴られた様子がありありと感じられた。

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