第三章 理樹さんとの再会

第20話

「水本亜紀です、副社長の恋人ではないですから、よろしくお願いします」


「真壁蘭子です、こちらこそよろしくお願いします」


「理樹いるよね、さっき見かけたから」


「はい、いらっしゃいます」


亜紀と社長室のドアをノックした。


「はい、どうぞ」


理樹は亜紀を僕の秘書と紹介したら、どんな顔するだろうか。


僕の想像では多分ニューヨークで二人は巡り会い恋に落ちた。


でもアクシデントで連絡が取れなくなり、亜紀は東條ホールディングスのビルまで来たと言うところだろう。


「失礼します、僕の新しい秘書を紹介しようと思って連れて来ました」


「新しい秘書?」


「水本亜紀さんです」

そう言って僕は亜紀を紹介した。


戸惑っている亜紀。


亜紀を見て固まっている理樹。


それはそうだろう、僕の秘書として紹介されたのが、ニューヨークで巡り合った女性なのだから。


「理樹、理樹」


「ああ」


「どうしたんだ固まって、いくら亜紀が魅力的だからって、僕の恋人だから弁えてくれ」

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