第6話

そこにルームサービスが運ばれて来た。


私の前に並べられたお料理に、お腹が鳴った。


「腹減ってるんだろ、無理すんな、食べようぜ」


私は料理を頂いた。


美味しい、ほっぺたが落ちそう。


そんな私に男性は声をかけた。


「な、亜紀の初めてを俺にくれないか」


「はい?」


「結婚するなら抱かせてくれるんだろ」


何、この人、何を言ってるの。


「男に振られて、傷心旅行なんだろ?いい出会いでもあればラッキーって思ってたんだろ?俺の妻になれ」


「そんないきなり、知らない男性の妻になんかなれません」


「このチャンスを逃したら、亜紀は一生独身だぞ」


「一生独身?」


「東條亜紀になれ」


そして、私は理樹さんに初めてを捧げてしまった。


忘れられない熱い一夜を過ごし、理樹さんの言葉を信じて朝を迎えた。


「亜紀、ニューヨークにはいつまでいるんだ」


「後二日です」


「それなら、後二日一緒にいよう」


「本当ですか」


私は満面の笑みを見せた。


俺は亜紀に一目惚れをした。

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