龍斗はこの時、自分の気持ちを素直に伝えようと心に決めた。

まどかは龍斗の行動に戸惑いを感じていた。

急にどうしたんだろう。

「まどか、俺とまどかは契約の関係だ、でも……」

龍斗の言葉がドアのノックで遮られた。

そこに入ってきたのは真凜だった。

まどかは真凜の姿に驚きを隠せなかった。

「龍斗さん、奥様が入院したと聞いてお見舞いにきたの」

「そうか、わざわざすまない」

龍斗は「売店で何か買ってくるよ」と病室を後にした。

まどかは真凜と二人になったことに恐怖を感じた。

「まどかさん、龍斗さんに何も話してないみたいね、助かるわ」

まどかは何も言えず黙っていた。

「これからもどこで誰があなたを狙っているかわからないから十分に気をつけてね」

真凜はそう言って病室を後にした。

龍斗が戻ってくると、真凜の姿はなかった。

そして、震えているまどかの姿が視界に入ってきた。

「まどか、どうしたんだ」

「龍斗さん」

まどかは龍斗に抱きついて涙が溢れて止まらなかった。

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