第9話

「なんでそうなるんだよ、男と女が合意の元に身体を重ねて、どうして仕事辞めないと行けないんだ」


「でも、社長に醜態を晒して、このまま、今まで通りなんて虫が良すぎます」


「お前に仕事辞められると俺が困る、だから今まで通りで大丈夫だ、

それにお前があんなに色っぽい顔するなんて、想像以上だ」


まどかはポカンとした表情を見せた。


「どうした」


「だって、社長変なこと言うんですもん、それに、彼女さんになんて言ったらいいか、申し訳なくて」


「だから、俺は彼女いねえって」


「でも婚約者とか、許嫁とかいますよね」


「許嫁っていつの時代だよ」


「どうせ、私は社長より十歳上ですから」


まどかは頬を膨らませて見せた。


「お前、可愛いな」


まどかは可愛いと言われて顔が真っ赤になった。


「早く支度しろ、遅刻するぞ」


「はい」


まどかは急いで食事を済ませて、シンクに洗い物を運んだ。


「何やってるんだ」


「洗い物を……」


「そんなの帰ってきてからやればいいだろう」

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