第30話

「もう少ししたら、妊娠検査薬で確認してから、陽性反応出たら病院へ行ってみようかなって思っています、ただ、その前に、麻生さんの気持ちを確認したくて、もし、妊娠していて望まない場合、止める事出来るから」

私は彼の答えを待った。

「止めない、一緒に育てようぜ」

「本当にいいのですか?」

私は何度も彼を問い詰めた。

「大丈夫だよ、俺を信じて」

彼は何度もそう言ってくれた。でもあの沈黙は何?どうしても気になり、手放しでは喜べない自分がいた。

 暫くして妊娠検査薬で陽性反応が出たため病院へ行く事にした。

彼も着いてきてくれる事になった。

初めての産婦人科、しかも回りを見渡すと皆若い。

「麻生あゆみさん」

「あゆみ、呼んでいる」

えっ?あっそうだ、私麻生あゆみだった。

「はい」

「麻生あゆみさんですね、こちらへどうぞ

ご家族の方はちょっとお待ちください」

私だけ診察室へ呼ばれ、検査を受けた。

「おめでたですよ、二ヶ月目に入ったところです、一緒にいらしているご家族の方はご主人さまですか」

「はい、そうです」

たぶん先生は若いなあと思ったよね。

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