第23話

「大丈夫だよ、皆、羨ましがるよ」

と、そこへパーティーの主催者が挨拶に来た

「ようこそ、麻生社長、またお会い出来て光栄です」  

「お招きありがとうございます、今日は家内も同伴させていただきました」

「主人がいつもお世話になっております、家内のあゆみと申します」

麻生さんに迷惑かけないようにと必死に挨拶をした。

「奥様ですか、初めまして、麻生社長にはこちらがお世話になっています、今日は楽しんでいただけたら光栄です」

彼は私の対応に満足の笑みを浮かべ、エスコートしてくれた。それから、色々な仕事関係の人に紹介された。

「あゆみ、ちょっとここで待っていてくれ」

「わかりました」

彼は仕事の関係者との挨拶で、私の側を離れた。一人で待っていると、男性が声をかけてきた。  

「はじめまして、麻生社長の奥様ですね。自分は麻生社長の仕事仲間の工藤翔と申します。今度お食事でもいかがでしょうか?自分の連絡先です。」

どうしよう、受け取りたくないけど、受け取らないと失礼なのかな、麻生さん、早く戻って来て・・・

「あのう、すみません、ちょっと化粧室へ失礼いたします」

「エスコートさせてください」

工藤さんは腕を差し出し、エスコートしてくれようとした。

「ありがとうございます、でも大丈夫です」

 私は早くその場を離れたかった。慣れないヒールのため、転びそうになり、工藤さんに支えられる体制になってしまい、そのまま抱き寄せられた。

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