第20話

心臓が破裂しちゃう、初めての経験で、しかもかっこいい彼と絶対無理。

ドアを背に呼吸を整えていると、彼がドアを叩いた。

「あゆみ、ごめん、俺、先走りすぎたな、

でも、すごく大好きだから、いい加減な気持ちじゃないよ、機嫌直して、俺が寝るまで側にいてくれないかな」

「ドア開けて顔みせて」

彼はゆっくり考える時間と言うものを与えない様だ。

「あゆみ」

「はい」

私はゆっくりとドアを開けた。

「あゆみ、ごめん」

彼はすぐに私を引き寄せ抱きしめた。

「謝らなければいけないのは私の方です」

彼は私を見つめて、ふっと息を吐いた。

「そんな事ないよ、俺がもっと自信持てればいいのだろうけど、なんか不安になる、あゆみがどっかに行っちゃう気がして」

信じられない言葉が彼の口から飛び出した

自信ない、不安になる、それは私の気持ちで彼はいつでも自信満々で、迷わないと思っていた。

私がどこか行っちゃうなんて、絶対ありえない事なのに、どうしてなのだろう。

「麻生さん、私は何処へも行かないし、ずっと麻生さんの側を離れないですよ」

いやだ、愛の告白してしまった、どうしよう

「ほんと?絶対だよ、約束な」

子供のように瞳を輝かせて、彼は私を見つめた。

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