第18話

「病院へ行きましょう」

私は譫言の様に言った「あゆみ、ごめん」が気になっていた。

もしかして、病気なのかとずっと心配になっていた。

彼は驚いた様子で私を見つめた。

「あゆみ、具合悪いの?」

「違います、私じゃなくて」

私は慌てて言葉を探した。

なんて言えばいいの?夜中に麻生さんの寝室に入って寝顔見ていたら、譫言を言っていたなんて言えない。

「あゆみ、ごめん」ってどう言う意味ですかなんて聞けない。あ~どうしよう~。

「あゆみ、俺なら大丈夫だよ、心配しなくても」

彼は自分の心配をしてくれた私を気遣い、優しく抱きしめてくれた。

「ディズニーランド行く?」

大好きな彼とディズニーランド行けるなんて嬉しい反面なんか複雑な気持ちになった。

すごく人生を駆け抜けているように思えた。

一分一秒も惜しい感じで・・・

性格なのか、私はのんびりしている方だからゆっくり考える。

でも彼は、人生の時間が無いと言わんばかりに、次々と予定を入れて熟して行く。

この日の休みは、ディズニーランドへ出掛けた。

すごく楽しかった。

「今度の休みはドライブ行こう」

彼は全く後ろを振り向かないで走って行く。

私はもっとゆっくりと二人の時間を過ごしたかった。

この時彼の考えは全く分からなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る