第59話

「大丈夫です、では、失礼します」


「あのう、自分が運びます」


瑛二はくるみが抱えていた大きなゴミ袋を自分が持ち、車にエスコートしてくれた。


「こんな袋持って、電車に乗れませんよね」


くるみはありがたく、車に乗せてもらうことにした。


車中で瑛二が話しかけてきた。


「山城裕太郎さんから、結婚の話は聞いていましたか」


「いいえ、ちょっと喧嘩して、私、ホテルに泊まっていたので」


「喧嘩?」


「でも、大丈夫です、いつかはこんな日が来るって思ってたので……」


「山城さんと一緒に住んでいたのですね」


「はい」

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