第五章 俺はひとみを連れ戻す

第43話

ただでは済まないだろう。


(それでも、俺はひとみを連れ帰る、ひとみのいない人生は考えられない)


そして結城と約束した時間ではなく、我妻はひとみの働いているキャバクラに一人で向かった。


「これは珍しいお客さんですね」


「ひとみを返してもらいに来た」


「何を血迷ったことを言ってるのかと思えば、くるみは自分の意思で、俺の女になったんだ、毎晩俺に抱かれて感じてくれてるよ」


「違う、お前が強要したんだろう、俺はくるみを指名したんだ、早く連れてきてもらおうか」


山城は仕方なく、くるみに我妻の接待をさせた。


「いらっしゃいませ」


久しぶりの再会だった。


我妻はじっとひとみを見つめた。

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