第41話

山城は何度も何度も激しくくるみを抱いた。


いつの間にか、くるみは気を失った。


隣の布団に移動しており、傍で山城が、くるみをぎゅっと抱き締めて眠っていた。


そんな頃、我妻はひとみが山城のマンションへ引っ越ししたことを突き止めた。


そして山城組管轄のキャバクラで働いていることも調べた。


「若頭、もうひとみさんのことは諦めてください」


我妻にコンコンと言い聞かせているのは、我妻の側近である、結城淳二だ。


我妻の幼い頃からの付き合いだ。


「若頭は藤堂組のお嬢と婚姻が決まっています」


「結城、俺は堅気の女、つまり、ひとみ以外とは結婚しねえ」


「ひとみさんは山城組若頭の元に、自ら行ったんです、酷なことを敢えて申し上げます、ひとみさんは若頭ではなく、山城裕太郎を選んだんです」


(そんなこと言われなくても、わかってる、でも俺はひとみを諦められない)

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