第2話
「お目当ての男性は見つかりませんか」
「いえ、そう言うわけではなくて」
「自分をもっとアピールしないと、残ってしまいますよ」
「残ってもう、三十九になってしまいました、男性はやはり、若い女性がいいんですよね、二十代のお嬢さんには負けます」
「そんなことはありませんよ、俺は自分と同世代の女性に惹かれますけど」
俺は自分に似合わないセリフにおかしくなってしまった。
「失礼ですがおいくつですか」
「俺は三十歳です」
「じゃあ、あと一年ですね」
「はあ?」
「私、誕生日がきたら次の世代の仲間入りです」
その女はにっこり微笑んだ。
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