由梨は自分の顔を手で覆った。

「これから組員で全力で若頭を探します」

「私も連れて行ってください」

「しかし……」

「お願いします」

由梨は渡辺に頭を下げた。

「わかりました」

由梨は渡辺の車に乗せてもらい、現場に向かった。

現場に着くと、組員は大声を張り上げて、健吾を探した。

「若頭、若頭、どこですか、返事をしてください」

そんなとき、車が発見された。

「お〜い、若頭の車があったぞ」

でも、肝心の健吾の姿は見当たらない。

由梨は渡辺達とは逆の方へ向かっていた。

(水の音がする、もしかして……)

川の淵に健吾の姿があった。

「健吾さん、健吾さん、しっかりしてください」

由梨は健吾に必死に呼びかけた。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい