第二章 警鐘を鳴らすドキドキ感

第11話

「えっ、どういうことだ?」


「西園寺さんのプロポーズはお受け出来ません、ごめんなさい」


「どうしてだ」


由梨は健吾に話を始めた。


「私は、東條ホールディングス社長東條優馬の婚約者です」


「ああ、わかってるよ」


「それなら、お分かりのはずです」


「東條を愛しているのか?」


「それは……」


「ごめん、いろいろ調べさせてもらった、由梨は親父さんの借金を払ってるんだろ、


そのために東條ホールディングスを辞められない、そこに目をつけた東條の親父が、


由梨に交換条件で東條の婚約者になるように強要した」


由梨は俯いて聞いていた。


「東條は女癖が悪い、誰も東條と続かない、困り果てた親父は由梨に交換条件を突きつけた、そうだろ?」


由梨は頷いた。


「その借金、俺が払ってやる」


由梨は驚きの表情を見せた。


「由梨は東條ホールディングスを辞めろ、そして俺と結婚しろ」

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