第一章 極道新堂健斗

第1話

「ああ〜っ、気持ちいい、いくう」


「ユリエ、いい反応だな」


私を抱いているのは極道新堂健斗、新堂組若頭である。


ここは私の夜の顔である、新堂組管轄のキャバクラ。


健斗は毎日やってきては、私を抱く。


「健斗さん、なんで私をいつも指名してくれるんですか」


「お前とのセックスはめっちゃ、気持ちいいからな」


私は春日部コーポレーションに勤務して十八年、もう


四十歳を迎えてしまう、お一人様。


一応、恋愛経験はあるが、実は初体験はない。


キスしてもドキドキしない。


つまり、感じないのである。


全く潤わない。


どうしたらいいの?


そこで私はキャバクラで働き始めた。


もちろん、昼間はOL、キャバクラは夜の顔である。

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