第一章 私を抱いてください

第1話

「おい、社長さんに三国蓮也が会いに来たと伝えろ」


「申し訳ありません、ただいま社長は外出中です」


「それなら、社長室で待たせてもらおう」


三国蓮也は数人の組員を引き連れて、エレベーターに向かった。


「お待ちください」


受付の社員を無視して、三国蓮也はエレベーターで最上階に向かった。


そこへ安達加子、この会社の社長の一人娘がやってきた。


世間知らずのお嬢さんだ。


三十六にもなって、男を知らない。


綺麗な顔立ちで、スタイル抜群のおとなしい性格だ。


男性にモテないわけではない。


父親の過保護で、ほとんど家から出ない。


運転手付きの車での移動だ。


「お疲れ様です、お父様は社長室にいる?」


「加子様、今、社長は外出中で、社長室には三国蓮也と言う極道がいるので、

早く、お帰りになられた方がよろしいかと思います」


「そう、わかったわ」

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