第32話

また満足出来ないとふられるかもと、脳裏を掠める。今、彼は好きって言ってくれる、この先付き合いが進み、最後まで行ったら嫌われるかもしれないと思ってしまう。


「美希、どうした?」


「どうもしません、支度してきます」


迎えが来て二人で会社に向かった。


会社に到着すると、早速仕事が待っていた。

パソコンを開き、東條さんが説明を始めた。そこへ社長が来て、「藤城には俺が教える」と二人の間に割って入ってきた。


「承知いたしました、御用があればお呼びください」


そう言って東條さんは秘書室を後にした。


「社長、これから桂木社長と会食になっていますが、そろそろ出発しないと遅れます」


「そうか、美希も一緒に行こう」


そう言って東條さんを呼んだ。


「桂木社長との会食に藤城も連れて行くから、あとよろしく」


「社長お待ちください、藤城さんには会社に残ってやっていただく仕事が山積みです、私が指導いたしますので藤城さんは残ってください」


「藤城の山積みの仕事はお前がやればいいだろう」

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