第26話
私は慌てて彼から離れようとした。
「じゃあ、続きは夜な」
彼は嬉しそうに言って、支度をして会社に向かった。
会社に着き車から降りると、彼は私と手を繋ぎ社長室へ向かった。
彼の行動は理解出来ない、いきなり抱きしめてキスしたり、我慢出来なかったと押し倒したり、心配だと勝手に迎えに来たり、いい加減な気持ちはないとプロポーズしたり、社内なのに恋人同士みたいに手を繋いだり、私の気持ちはいつも置き去り状態である。
でもそんな彼の私に対する気持ちは嫌ではなかった。でも……
「社長、手を離してください、社内ではまずいですよ」
「なんでだよ」
そこへ東條さんがやって来た。彼は社長の右腕の存在で、この会社を回していると言っても過言ではない。
「社長、お話があります」
「なんだ」
「藤城さんは我が社の社員です、一人の社員にだけ特別扱いはやめていただきたいのですが……」
「特別扱いってなんだよ」
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