第24話

でも会いたい、抱きしめてほしいって思ったのは嘘ではない、私の本当の気持ちである。

そんな事を考えていたら時間が過ぎてしまった。


「大変、遅刻しちゃう」


私は急いで会社に向かった。


「おはようございます、遅くなりました」


彼は不機嫌そうな表情で私を見つめた。


「遅い、迎えに行くところだったぞ」


「すみません、服選びに時間がかかってしまって」


「心配したぞ、来なかったらどうしようって、正直思った」


彼は心配で仕方ないと言わんばかりの表情に変わった。


「俺のマンションに引っ越してこい」


えっ、うそでしょ、彼と一緒に暮らすなんて、毎日ドキドキして何も手につかないよ?


「大丈夫です、明日から遅刻しないように気をつけます」


しかし次の日から彼は考えられない行動に出た。


朝、彼は私のアパートに迎えに来た。


「美希、おはよう、支度出来たか、車に乗れ」


「社長、どうされたのですか」

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