第17話

どういう事だろうと考えた瞬間、腕を引き寄せられ彼の胸に顔を埋める体制になった。


えっ?何が起きているの?彼から離れようとすると、「俺から離れるな」と強く抱きしめられた。


「あのう、社長、誰か来たらまずいですよ」


「誰も来ない、社長室にいきなり入ってくるやつはいないから心配するな」


「でも……」


私が言いかけたより早く社長は私の唇を塞いだ。


心臓のドキドキって音が聞こえた。そして何故かされるがままに彼と永いキスをした。


彼とのキスは心地よい。


その時ドアがノックされた。私は我にかえって彼から離れようとした。


しかし「離れるなと言っただろう」彼は私を抱きしめたまま「今取り込み中だ、後にしろ」そう言ってまた私を見つめ、キスをした。


そのまましばらく見つめ合い、彼は私を抱きかかえてソファーに押し倒した。


彼の唇が首筋から鎖骨辺りに移っていく。


「あのう、社長困ります」


「俺に抱かれるの嫌なのか」


「昨日会ったばかりですよ、それにここは会社です」

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