第2話

私が狼狽えていると、その侍は私に話しかけてきた。


「お主、こんなところで何をしておる」


何って、まずここはどこ?


と、その時、矢が私の頬を掠めた。


痛い。


その侍は私を軽々と持ち上げ、馬に跨らせた。


「しっかり捕まっていろ」


馬は風をきって走り出した。


城の門をくぐり、城内に入ると「お館様ご無事で」そう言って、多数の侍が周りを囲った。


「こやつの傷の手当てをしろ」


私は馬から下ろされて、城の中へと連れて行かれた。


かすり傷だったため、後は残らないようだ。


バンドエイド貼っておけばいいのに、ここにはないの?


私はお風呂に連れて行かれた。


「湯殿に浸かって身体を温めてください」


着替えは着物が用意されていた。


「お館様がお待ちです、こちらへ」


一歩踏み出すと、着物の裾につまづいて倒れそうになった。

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