元いじめられっ子の転生令嬢は、悪役令嬢を助ける。

十六夜

プロローグ

反撃の狼煙

 豪華なシャンデリア。

 綺麗に磨き上げられた大理石の床。

 派手な装飾が施されたカーテン。

 そして、噎せ返るような甘い香水の香りと……



「ルシナ・オリヴェーティオ!貴様を、今日こんにちを持ってこのミネルバ王立学園から追放する!」


 この煌びやかな空気をぶち壊す、物騒な大声。

 皆がこの騒動の根源である者に注目する中、私は一人、扇子で口元を隠してクスリと微笑む。

 私の視界の先に映るのは、シャンデリアの光を浴びて凛と立つ、一人の麗しき御令嬢。


 さあ、舞台は整ったわ。

 あなたを邪魔するものなどもういない。

 存分に暴れてしまえばいい。






 反撃開始よ。悪役令嬢様。

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