異世界転生したけどまた幼馴染とのんびり暮らしたい
黒井あたる
第1部 転生した幼馴染達
第1章 幼少期
第1話
『聞こえますか?
何か聞こえてきたけど落ち着いて周りを確認する。何もない真っ白な空間にいるらしい。まぶしい
そして正面にはあちこち光って顔だけかろうじて見える、金髪の女性。ほんとまぶしい
なんか見てると浄化されそう…
って、あれ?確か学校終わってバスに乗って居眠りして…
『残念ながらそのバスが落盤事故に遭ってお亡くなりになりました』
まじかぁ……まぁ、事故じゃしょうがないか
それで、転生できるんだっけか
『私たちはこうして死んだことを理解してなくて穢れの無い魂をみつけたら勧誘しています。それで、どうでしょうか?』
うーん、ちょっと待って!
俺の後ろの席に幼馴染のありさが乗ってたと思うんだけど、彼女はどうなったの?
『ふふっ、彼女も今勧誘していたのですが、あなたのことを心配していますよ。
それで、海斗が行くならいいよと言ってくれています』
ありさも死んじゃったのかぁ…
女神様のところに転生したらまた会えるかな?
『同じ年齢、同じ町に産まれてもらいますので、また幼馴染として探してあげてください。彼女には万が一のために結界を張る強力な能力を授けますので、このまま記憶の継承ができません』
え…それみつけられるの…
っていうか女神様見てるとだんだんあったかくて気持ちよくなってきた…
『あまり時間がなさそうですね。5歳を過ぎたら能力が馴染むので、それ以降に手を繋ぐと彼女の記憶も戻ります』
なるほど!わかりました!ではお願いします!
『ありがとうございます。何もなければお二人で自由に過ごしてもらってかまいませんので。世界でも最高クラスの血筋に産まれますので頑張ってくださいね』
は……ぃ……
『ふふっ、無欲なあなたにアイテムボックスを授けますね。もしも邪神の封印が解かれたら頼みますね…』
――!!
なんだよ邪神って!!「オギャアア!」
……あれ?色がある?声も出る?
「どうしたの?カイト?お腹すいた?」
赤髪赤目の美少女がのぞき込んできた…
お母さんなのかな?ずいぶんお若いですね…っていうか高校生くらいにしか見えないよ。
……って、ちょ!やめて!まだ早い!いや何が?
「あら?どうしたの、私の手をおさえて…」
頑張って手だけ動かせた!
けどどうしよう…転生しちゃったんだよね、これ。とりあえず手をニギニギしてごまかそう、スマイルだ!
「あらあら!ねぇ、見て!カイトが笑ったわ!」
「とてもお可愛らしいですね、奥様」
おっと、おはだけ防止に夢中になりすぎて気づかなかったけどもう一人美少女がいた。メイドさんなのかな?よくあるクラシックな感じのメイド服…
ってよく見たらスカートが膝上だしエプロンもハート型だぞ!?
……まさか、転生者の先輩達が広めたんじゃなかろうな…うん、なんか考えたら負けな気がしてきた
バーン!(ビクリッ!)
「カイトー!帰ったぞー!」
ドアをバーンと開けて部屋に入ってきたのは赤髪赤目の40歳くらいのイケオジ。
パパなのかな?年齢差ありすぎだろ…
「ちょっとお父さん!カイトがビックリするから静かに入ってきてって言ったでしょ!」
「す、すまん」
「まったく、うるさいおじいちゃんですね、カイト大丈夫よ」
ビクリとした俺を抱きしめながら言うお母さん。
じいちゃんだったのかー!うん、なんかよかった!
それにしても、抱っこして揺すられると…
ねむ……
………………………………
色々あったけど、無事に1歳になりました!そろそろ喋ってもいいかな?いいよね?
あと、最初は抵抗したけど、やはり空腹にはかないませんでした…何がとはいいません!ありさにバレたら怒られそうなので!
今はもう離乳食?食べてるので安心ですよ!
とりあえず1年間観察してわかったことは
父はデイン・ランカスター辺境伯といって1か月に1度くらいで会いに来る金髪碧眼の超絶イケメンでした。なんかオーラ?が出てて強そう。
母はヘレナ・ランカスターで、どうやら第2夫人らしい。二人は同い年で幼馴染らしい。19歳。
祖父のウルリック・フレアソード子爵は政務が苦手で魔物狩りばかりしているので、もともと跡継ぎ予定だった母がこちらに住んで政務を執り仕切っている模様。
あと月に一度来るのは子爵領に隣接する魔の森で魔物を間引くために山狩りが開催されていて、それに父も毎回参加しているから。
辺境伯ということで国境の防衛も担ってるんだけど、隣国とは小競り合いが続いていて油断ならないらしい。
うん、ものすごく忙しそうだけど母共々愛してくれてるのはわかるので大丈夫だよ父ちゃん。
一生懸命機嫌とろうとして色んな魔法見せてくれるし大好きだよ。
それで魔法なんだけど、父さんの見せてくれる魔法をじーっと見てたらなんか魔力の動きみたいのが見えるようになった。
才能のおかげなのかな?
ランカスター家の興りが「国境は俺に任せろ」といってこの地方に移住した初代国王の弟で全属性魔法を使いこなしたらしい。
金髪碧眼は王家の血筋の証みたいになっているそう…、俺はどっちなんだろ?鏡とか見てみたい!
とりあえずこっそり魔力を動かしてみたりして練習してるんだけど、うっかり外に漏れすぎた時とか母が走ってきて不思議そうな顔で見てくる。バレてる?
前に父ちゃんが調子にのり過ぎて魔法でベビーベッド焦がした時は母ちゃんにボコボコにされてたから、母は怒らせないように気を付けよう。
――――――――
ヘレナ・ランカスター(母上)の18歳時のイメージ画像です
https://kakuyomu.jp/users/black_hit/news/16818093085845641878
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます