好きな子には好きな子がいる

冬彩 桜月

1話(百合)

「桜が可哀想だろ!」あの時の一言が私は

悲しくて 辛くて 香澄を嫌いになりたかった。

桜と香澄と菫と私は幼なじみでどこへ行くにも一緒だったでも中学に入ってから私は4人で

行動しなくなった その理由は香澄を好きに

なったこと。香澄は面倒見が良くて大人っぽくて かっこよくて そこに惚れてしまったでも

同時に香澄が桜を好きなのも知っていた。

桜は菫のことが好きだけどそんなこと関係

ないくらい香澄は桜に惚れていた それが

辛くていつか桜を傷つけそうで怖くて私は

何かと理由をつけて4人で一緒にいるのを

やめた。「百合ちゃん最近私の事避けてるよね。私何かしちゃった?」無垢な優しい瞳

「避けてないよ、勉強で忙しいだけ。じゃあ私図書館行かないといけないから」このまま

一緒にいたらダメな気がした「なんで?

避けてないならもう少し一緒にないようよ」

腕を掴まれその場に固まる 全員に愛されてるのを自覚しているこの子は 正真正銘の

ヒロイン。「ごめん。本も返さないといけないし やること沢山あるから……本当、ごめん」謝って手を振り払う 「百合ちゃん……酷いよぉ。私はただ、4人でまた仲良くしたいだけなのにぃ」そう言って桜はその場で

泣き始めた すると香澄が来て「ずっと、見てたけどさ」滅多に怒らない香澄が「桜が可哀想だろ!」と私に怒った。泣きそうになるのを グッとこらえる「違う!百合ちゃんは

悪くないよ」必死に桜が訴えている まるで

私が悪者みたい「ごめん。桜 私が悪かった」

香澄がほらなという顔で桜を見つめるでも

桜は私の後ろをじっと見つめていた。

「あれ?3人ともなぁーにしてんのっ」菫が来だからか桜は俯いた。香澄も黙っている

「えぇ〜教えてくれても良くね?まぁ、

いいや。」そう言って今度は菫が私の腕を

引っ張った。「百合のこと借りるよぉ、俺が先に予約してたから 」そう言って2人に手を振り私を家まで送ってくれた「百合がいつも行ってる図書館って駅前のでしょ?それなら自転車かなぁって思ったんだけど 」合ってた?とまるで人懐っこい犬みたいな顔で見つめてくる。菫は昔からこうやって空気を和ますのが上手かった「うん、正解。ありがとう」

笑顔で言いたいのにさっきのが結構傷ついてるみたいで上手く笑えない。それに気づいたのか菫が私の頭をそっと撫でた 「合ってたならご褒美ちょうだいよ。今夜少しだけ付き合って」これも昔から そう言っていつも私が

持ち歩いてる飴玉を美味しそうに食べてた。

でも指定されたのは初めて 何故かわからないまま「わかった」と とりあえず返事をした。

菫は嬉しそうに笑って「じゃ、勉強終わったら連絡して」と言って私に手を振って帰って行った。

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