第5話 義就の反逆

### 大河ドラマ『応仁の乱』 第5話 「義就の反逆」


**プロローグ**


享徳4年3月26日(1455年4月12日)、畠山持国が死去し、息子である畠山義就(演:松田龍平)が畠山氏の家督を相続した。しかし、義就の相続は平穏ではなかった。彼の一族内の対立、さらには将軍・足利義政との関係が緊張をはらむ中で、戦乱の幕が切って落とされた。細川勝元(演:岡田准一)や山名宗全(演:柄本明)など、諸大名たちもまた、自らの立場を守るため、あるいは野望を達成するために、複雑に絡み合った策略を巡らす。


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**シーン1:持国の死と義就の家督相続**


畠山持国の葬儀が行われ、義就は一族や家臣たちの前で正式に家督を相続する。しかし、持国の死後、畠山家内ではすでに亀裂が生じており、義就派と対立する弥三郎派が密かに力をつけていた。葬儀の場でも冷ややかな視線が交わされ、義就は家内の不穏な動きを敏感に察知する。


義就:「父上の遺志を継ぎ、畠山家を守るため、まずは敵を一掃する必要がある。」


家臣たちに対して、義就は毅然とした態度を見せる。


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**シーン2:弥三郎派への弾圧**


義就は、畠山家の分裂を避けるため、弥三郎派の勢力を一掃する決意を固める。彼は義政の「上意」と称して、領内で苛烈な弾圧を行い、弥三郎派の拠点を次々と制圧していく。街道には焼けた屋敷や、処刑された者たちの亡骸が並ぶ。


義就:「これも畠山家を守るため…仕方のないことだ。」


だが、その残虐さが義就の評判を落とし、次第に将軍・足利義政からの信任を失うきっかけとなる。


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**シーン3:山城国木津の攻撃**


義就は次に、細川勝元の所領である山城国木津へと軍を進め、勝元を攻撃する。しかし、この行動が義政の怒りを買うこととなり、義就はますます孤立を深めていく。


勝元:「義就、畠山家の未来はお前一人の手にあるわけではない。弥三郎を擁立し、奴を追い落としてやる!」


勝元は弥三郎を擁立し、義就を追い落とすための計画を練る。一方で、山名宗全は義就に接近し、次第に彼を支持するようになる。


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**シーン4:弥三郎の死と政長の擁立**


長禄3年(1459年)、弥三郎が赦免され、上洛を果たすが、その直後に急死する。この不穏な死により、畠山家内の権力闘争は一層激しさを増していく。勝元はすぐさま、弥三郎の後継として政長(演:瀬戸康史)を擁立し、義就を追い詰めようとする。


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**シーン5:寛正元年、政長の家督承認と義就の追放**


寛正元年(1460年)9月20日、足利義政は政長の畠山氏家督を正式に認め、義就を追放することを決定する。この決定により、義就は領地を失い、河内嶽山城へと逃げ込む。


義就:「ここで立ち止まるわけにはいかぬ。畠山家の栄光を守るため、我が命を賭して戦うのみ。」


義就は嶽山城に籠もり、徹底抗戦を誓う。


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**シーン6:嶽山城の戦い**


義政は義就の追討を命じ、追討軍が嶽山城を取り囲む。嶽山城は何度も攻撃を受けるが、義就とその配下の兵たちは寛正4年(1463年)4月15日まで耐え続ける。その間、激しい攻防戦が繰り広げられ、多くの犠牲者が出る。


義就:「これが最後の砦だ。この城が落ちれば、畠山家は終わりを迎える…。」


義就は決して降伏せず、最後の一兵まで戦い続ける決意を固める。


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**シーン7:嶽山城の陥落と義就の逃亡**


嶽山城はついに陥落し、義就はわずかな配下とともに城を脱出する。彼は紀伊国、そして吉野へと逃れ、再起を図る。


義就:「まだ終わってはいない。私は必ず、畠山家を取り戻す。」


彼のその強い意志が、今後の戦乱にさらに深い影を落とすこととなる。


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**エピローグ:新たな戦乱の予兆**


京都では、義就を追い詰めた勝元と政長が勝利の宴を開く。しかし、彼らはまだ知らない。義就がこの敗北から再び立ち上がり、後に応仁の乱の引き金を引く存在となることを――。


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**第5話のタイトル:** 「義就の反逆」

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