第27話
「今日からしばらく俺の妹ね」
NATSUはそう言うと、私の腕を取って立たせて、
「まだ、他に迷子いた? 」
と、真剣な顔をして声をひそめた。
その顔が真面目で、おかしくて笑ってしまった。
「私だけでした」
「よかった。俺の車、二人乗りなんだよ」
颯爽と歩くNATSUに急ぎ足でついて行く。
繁華街の中も駆け足で抜けて、
「乗れ」
「は、はい」
ビルの地下駐車場に止めてあった、白いスポーツカーに乗り込んだ。
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