第23話
「早く家に帰らないと補導されちゃうよ」
NATSUの言葉で現実に引き戻される。
″家に″……。
「…帰るところがなくなりました」
「え? 家出少女?」
家出をしたつもりはないのに、帰れなくなってしまった。
NATSUは眉をひそめて、少しめんどくさそうな顔をし、
「ママが心配してるぞ」
その場を去ろうとした。
でも、直ぐに足を止めて、私を振り返り、
「ひでぇ……顔……」
溜め息をついていた。
「……めんどくせぇな」
そう言うと、階段に座り込んで、涙の止まらない私の手をひっぱり、自分の横に座らせた。
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