第3話

お世話になっている親戚の家の二階で、母の遺品を整理する。



衣類やら装飾品は古くて必要ない。



重たいダンボールを見つけ、ガムテープを剥がすと、無数の化粧品とともに、CDが数枚入っていた。



アーティスト名、【blue-black】






「知らないなぁ…」




ボロボロのケース。

何度も聴いたんだろうな。






何気にそのジャケットを取り出して、中のアーティストの写真を見る。








『なんて綺麗な男性なんだろう』




そのビジュアルに、心臓をうち抜かれたような軽いショックを受けた。





茶髪の長めの髪。



鋭い大きい、猫のような瞳、



日本人離れした陰影。




女性にはない-" 妖艶 " さ。








恐る恐るそのCDを取り出し、ダンボールに入っていた古いラジカセに入れて曲をかけてみる。

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