第49話

―――――…





射沙波「ははは!

    そんなことあったのか〜?

    どーりでアイツらしばらく

    見ねぇと思ったら」



うさぎ「そーなの! そーなの!

    ケアルくんも笠木ちゃんも

    異次元の方向音痴でしょ?

    マラソンの後だったから

    探すの大変だったんだよ〜?」



もともと うさぴょん がお喋りなこともあるが

ケッコー会話が弾んでいた


林間学校のイベントの一つ ナイトウォーク

そして最終日におこなわれたマラソン


2度に渡り、

ケアルと笠木が行方不明になるという

エピソードやクラスの様々な噂話など

ネタには困らなかった




うさぎ「林間学校でゲットした

    あのチケットって…

    まだ持ってるの?」



射沙波「あぁ、まだあるよ?」



"チケット" とは、

”幸せの鐘公園 2時間強制デート券"の

ことであり、俺が林間学校の

イベントで入手した景品だ



景品の説明書にはこう書かれている…




『花学の ”幸せの鐘公園” 


 それは…


 学校内の一番端、第二グラウンド脇にある


 学内専用広場のことだ



 そこには 幸せの鐘と呼ばれるものが


 設置されているのをご存知だろうか?



 第50回卒業生によって寄贈された

 幸せの鐘…


 そのベルを男女で鳴らすと

 必ず結ばれる …と、言われている



 どんな不釣り合いな者同士でも 

 恋の魔法にかかったかのように

 不思議と引き合わされてしまう、


         …という噂だ



 迷信かもしれないが、

 それなりに実績もあり

 それなりに信憑性も高い


 いまだに花学生の中では

 ワンチャンをねらう人も多い


    あなたも、トライしないか?』





うさぎ「 (誰に使うか

     もう決めてるのかな…


     聞きたいけど…

     そんな勇気は…) 」

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