第42話

誰もが恐れ、中学の時点で街の怖~い

お兄さんですら一目置いた俺

という男のはずが…


それがどうした?と言わんばかりに

危険区域まで手を伸ばしている




射沙波「イヤ マジで!

    勝手に見るなよ!?」



織原「えー

   逆に気になるじゃん」



射沙波「ちょ、待てって!」



織原「あ…ちょっと!」




「きゃあああっ!!」









ドサ…ッ…







ギシ・・・






棚に手を伸ばすモエカを制するため

力ずくで止めに入っただけなんだが…




そのままもつれて、

棚の脇にあるベッドの上に倒れ込み…








ベッドの上で、

モエカの左手首を右手で押さえ込んだ状態に

なって…






勢いで額と額が密着してしまった…






おそらく他人が今この瞬間だけを見たら



俺が獣のようにモエカを押し倒し

ベッドインしているようにしか

見えないだろうな…








射沙波「あっ!

    コレ…違っ…!!」



慌てて離れるイザナミ




織原「…!! ……」





モエカは目を丸くしたまま固まって…




…そして、ゆっくりと起き上がる






織原「なんか…ゴメン…」






射沙波「イヤ…ワリぃ…」






俺は…

とある日の事が脳裏に過っていた





―――それは先日、

モエカと映画館に出かけた日のこと―――


映画の上映時間まで時間を潰すために

入った店で、

ただの幼なじみからワンランク上の

レベルへと登る出来事があった―――…







織原「な…長居するのもアレだから…

   帰る…ね?」



射沙波「お、おう


    また何かわかったら連絡

    入れるわ」




スッ…と手で合図すると

モエカは部屋を後にした






射沙波「…・・・・・・…。」





ドクン・・・ ドクン・・・







―――――…

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