第2話
夏休みの課題
読書感想文を書くために借りてきた本――…
周りからは
意外と真面目だな?とかイジられたけど
もともと読書はそんなに嫌いじゃない
さっさと課題も終わらせときたいしな
と、軽い気持ちで読み始めたんだが…
俺はいつの間にか夢中になって読んでいた
"ウサギを追う人と眠り猫"
”二
されど 一兎を追えども一兎も得ず。
たかが知れている。
欲しい物があるのなら
掴みにいくだけ。
例え十兎でも百兎でも千兎でも。
結果、手の中に
振り向いて見ると良い。
兎を追った足跡が
貴方の経験として残るから。
兎を追うのは疲れるだとか、
もう年齢的に遅いとか、
もう無理だとか、
何かにつけて理由をつけて、
線を引いて、
線の向こう側に行き難くしているのは
もしかしたら貴方自身なのでは?
…なるほど
考えてみればそれも正解かもしれないね。
自分が追わない、と決めたなら
誰も文句は言わない。
必要ない、と決めたのだから。
貴方は賢い。
それはそうと、
追ってみようって思えた貴方も
正解かもしれない。
必要と感じたのなら。
必要か、必要でないか。
そういう判断が 時には重要なんだよね。
困るのは、
どっちでもいい って答え。
あながち間違ってないこともあるから
心を惑わせてしまうのだが。
でもね、
人は何かを決断しようとする時には、
自分の気持ちを明らかにする事が大事だ
…と私は思うんだよね。
必要か必要でないか。
明らかにすれば、迷いが消えるから。
もし貴方が
兎を捕まえるんだ! と決心したなら、
必要と感じて、視界を狭めればいい。
もっと視野を広げて?
なんて言う人が居るけど、
水平思考じゃなくて、垂直思考が必要な時に
そんなこと言われてもねぇ?
貴方にとっての兎って 何だろう?
逃してはいけない兎かな?
見守ってあげるべき兎かな?
目の前に兎が現れなかったら…
来るまで待とう?
こさせてみせよう?
それとも…?
少なくとも、この本を取った貴方には、
もうすでに、
何らかの兎が現れているんだろうね。
今しか現れない兎かもしれない。
もしも、
貴方に訪れたチャンスなのだとしたら…。
だったら要は選択と集中、
フォーカスあわせて
貴方の兎を捕まえてみようよ。
残念ながら、
私には時間を巻き戻す力が無いから
かわりにヘンな事 言うんだけどね、
寂しげな兎が貴方の前に現れて、
貴方に噛み付いて、痛みを感じたのなら、
貴方の指に括りついた糸をたどった先に、
望むものがあるかもしれないね。
ま…
私は兎じゃなくて、
断然 猫派だけどね。”
…―――
1日で一気読みして、課題を書き上げた
それと、読んでみて
少しだけ、心当たりがあった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます