9. 死に向けてカウントアップ
第19話
涼
「皆さん、ご協力ありがとうございました
貴重な情報を共有して、助けがくるまで
なんとか凌いでいきましょう」
愛梨
「ねぇ、みんな 左側を見て!
あそこなら、手を離しても大丈夫かも!」
20分ほど前に発生した大規模な崩壊によって
フロアは大きく変形し、
空が広範囲に開けて見えるようになった
ものの 傾斜に傾斜が重なった結果、
平坦になっている場所が出来ていた。
珠音
「ほんとだぁーー!!
愛莉、よくやったっ!!」
真花
「ぜんぜん気づかなかったぁ!
愛梨ちゃん 冷静ーー!!」
雨
「助かるよぉ〜
腕、限界だったもんね〜」
平坦な部分は範囲が広く、
15人程度ならば移動しても問題は
なさそうだ。
忍
「ちぃと待たれよ、皆の衆」
タンッ!
タン タンッ!!
軽快なステップでいち早くその場まで
移動すると…
ぎゅうぅ… っっ
忍
「よし!
これで万が一の備えも万全じゃ!
ぬぅわぁっはっはっは!」
忍の行動を説明する。
彼は背中に背負ったリュックから
ロープを取り出し、壁から生えた手すりに
括り付け、
平坦な場所にまで伸ばして、
瓦礫混じりの地面に垂らしたのだ。
――――――――――…
生き残った15人は、全員
忍が仕込んだロープを軽く掴みながら
ようやく地面に腰かけることができ
束の間の休息をとっている
月
「うっわ〜
平坦な場所、何日ぶりかに感じるよ
腕の筋肉 幸せ〜!」
涼
「乳酸溜まってパンパンになってます
からね…
月さんもお疲れさまでした」
鬼頭と凍雅、鼠弥は1人の男を見て
少し思うところがあった
輝羅理
「ん?
どうした?
俺のカオになんか付いてるか?」
鬼頭
「いや、済まない
アンタ… 俺の知ってるヤツに
ちょっと似てるんだよ」
輝羅理
「お前は…
鬼頭 っつったっけ?」
鬼頭
「あぁ そうだ」
輝羅理
「世の中には何人か似てるやつが
いるモンだ
そんな珍しいことでもないだろ」
凍雅
「でもさー、シンガーソングライター
なんでしょ?
その路線も被るんだよなぁ
リュウもそー思ってたんだ?」
鬼頭
「あぁ、お前もそう思ってたか」
鼠弥
「俺もだ
ヤツとの因縁はまだあるが、
気にはなっていた」
その人物の名は…
鬼頭
「
知ってるか?」
輝羅理
「イザナミ?
いや、知らねぇな」
鬼頭
「そうか…
変な質問してしまったな」
1時間経過。
15:00―――――…
残り 15人
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