#6. 白い春の日イブ

第6話

同じ空気を吸っているだけで



距離が縮まった気がした



やさしい風そよぐ 春の季節イブ



揺れる髪が 時間を巻き戻した



わたしに刻まれたままの あの時に還る 





大きく膨らんだ想いが



胸に痛みを報せてくれた



心の箱の恋文を 握りしめたまま



私の想いは立ち尽くしたまま






風と遊ぶ 冬の終わりに



夕立にさらされて



あなたへのうた 口にした



手を伸ばしたら 届く距離



いつかきっと この手のなかへ





同じ天蓋そらの下にいるだけで



心が向き合った気がした



やさしい風そよぐ 春の季節イブ



揺れるつぼみが 新しい季節を灯した



わたしを塗り替えてゆく その時へ向かって

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