第50話

「なになに? どした?


 何かあった!?


 あ、あれのこと???」






あなたが見つけたのは、1体の像だった。







神か仏かはわからないが、

ライトを当てると金色のボディが

きらきら輝いている。






「…っと、流石に動きはしないか」






ユウが軽く触ってみたが、

像はびくもとしなかった。







メモをするために、

手繋ぎを一旦解除。





――――――――――――――――――――

メモ

――――――――――――――――――――


“た5“地区 本堂

正面の畳の間に 神仏の像あり。


ユウのお陰で ビビり我慢を継続中

――――――――――――――――――――






「あはは!


 そのメモ、いる?


 も〜、たまに笑い挟んでくるね〜


 …お陰で少し気が楽になったけど」







あなたが添えた一文のお陰で、

暗闇の中を切り裂く推進力が生まれた。







「この鐘を鳴らしたら、石板が

 出てくるとか?


 …んなわけないか」







遺影の手前には、鐘…リンと 

線香台が置かれている。






試しに鳴らしてみたが、

暗闇に鐘の音が小さく響いただけで

何も変わらなかった。







「ま…

 何事も やってみなきゃね…」

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