第46話

――――――――――――――――――――…




あなたがこの世界にやってきて、

実時間でどれくらいが経過しただろうか。



この先、どのような展開が待ち受けている

のかは知る由もないが、


状況によっては、

この世界から抜け出せるのは

あなたか、ユウか、

二者択一となる可能性がある。


あなたとユウは対立する立場にある

のかもしれないが、そのような中でも


2人の関係性は良好にある。



そう言い切れるのは、

2人の間に愛情が芽生えているからだ。




今、手を繋ぎ合って交わし合う笑顔から

今後、対立を生むような未来は見えない。




時折、時間を気にせずおしゃべりに

夢中になっているのも微笑ましい限りだ。




そうこうしているうちに、

間もなく目的地の”た5”地区に到着

しそうだ。






「あのお寺あたりかな?

 "た5"地区…」





民家が立ち並ぶエリアの先に、

立派な門構えのお寺が見える。


位置的には、そのお寺が”た5”ということで

間違いなさそうだ。





時刻は02:12―――――…





「そーいえばさ、

 さっきのリセットタイムって、

 

 何時だったっけ?」




と、ユウに聞かれたものの

あなたも時間は把握していなかった様子。




「ん〜… だよね。


 6時台だったとは思うけど、


 しまったなぁ


 残機無い中で、重要な情報

 逃しちゃったか…」






今のところ、リセットタイムで把握

しているのは メモ書きにあるように、

3回だけ 確認されている。



――――――――――――――――――――

メモ

――――――――――――――――――――

リセットタイム

03:03、04:04


5時台は不明。


6時台は06:00〜06:30の間


――――――――――――――――――――




これまでは、あなたもユウも

リセットタイムは何度食らっても

残機が無限にあるから大丈夫!

…と 思っていたが、


“ZAN2“ の表示が現れてからは

状況が変わってしまった。



先程の推察通り、

残機が無くなれば イコール死に至る

可能性が高いからだ。






いよいよ、そのお寺へと足を踏み入れた

2人…


歩みの速度が遅くなったあたり、

あなたが慎重になっていることが

わかる。

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