5. この世界に

第41話

散らばった衣を再び身に纏い、


少し照れながらも、

あなたはユウと もう一度長いキスをした。






っぱ! という小さな音をたてて、

唇と唇は離れ、

瞼が開き 瞳が現れてゆく…






「…しちゃったね」






あなたはうなづく代わりに、

ユウの首すじに マークを1つつけて…






「ちょっと…

 そこは目立っちゃうな〜?


 まぁ 誰も人居ないから関係ない!?」






今度はユウが、あなたの首すじに

マークをつけ返す。






自分がつけたマークを眺め

顔を見合わせて


この世界を忘れるように

2人、微笑み合っていた。






――――――――――――――――――――…






あなたは民家の窓から外を覗いた。





「今、04:50かぁ


 どうする〜?


 もっかい石板探しする?


 …でも、こっから戻るの大変だよねぇ」





ユウはそう言いながら、

はっと何か閃いたような顔をして

続けた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る