第12話

少しずつ この世界の法則を

理解してきたためか

壁や家などに刻まれた文字を探す速度と


目指す文字の場所に向かう速度が

上がってきているようだ。



相変わらず不安そうな表情をしているが、

やや落ち着き寄りに変化しているのが

わかる。



慣れということもあるかもしれない。




慣れてきたとはいえ、

"さ2"地点から、”や5”地点は

少し距離がある。



舗装された道で、悪路ではないが、

夜道を裸足で進んでいくのは大変そうだ。








…と、ここであなたは

歩みを止める。








   さらさら…




       さらさら…









― 水の流れる音…


       川だ! ―








立ち止まった理由は…


街と街の間に流れる川の手前、

橋に足をかけるのが怖いから

…というわけではなさそうだ。



きょろきょろと辺りを見回して…


左手側の方に目をり、

しばらく眺めているようだが…

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