第348話

泉水の講義には男子生徒からも大きな拍手が巻き起こる。



「泉水ちゃんならできるよー!」



「働くことが楽しくなりそう!」



「総理にマニュフェスト、

 パクられないようにな〜!」



「それな! 

    あはははは!」





女生徒からも支持の声が多く上がった。





「政治ってつまんないと思ってたけど

 結局、自分たちが暮らしやすくする

 為のものなんだねー」


「すっごく勉強になったぁ

 泉水総理はいつ誕生するの〜?」



「週休3日にして経済がもっと回るように

 なったって聞いたことあるし、

 実現したら面白いかも!」



「女性だけでなくて、男性にもメリット

 大きいよね!


 まさにWin-Winだね!」




ほぼ、生徒の視線を独占している泉水。


  



「まさかジュエルくんじゃなくて

 泉水ちゃんに注目度が持ってかれる

 とはな〜」


と、浜西は何故か得意気に言った。


すでに泉水に陶酔しているようだ。





「 (く… 今、私がやっている政治

  では、そこまでの目玉となる

  アイディアは無い…!


  泉水か…

  デキる奴とは思っていたが、

  ここまでとは…!


  どうやら本気で私は、彼女を

  見くびっていたようだ…


  孔雀畑先生はどこまで本質を

  見抜いているのだ…!


  私の計画を見抜き、

  私以上のマニュフェストを示して見せ


  国民の縮図と言えるこのちいさな講義で

  政治というものをわからせつつ、

  支持も確実に得る…!



  悔しいが、完敗だ…



  こんな妨害が入っては、

  ジュエルを引き込む計画は

  一度 白紙にせざるを得んな…!) 」






総理はそう思い、「次の会議があるから」とだけ言い残し、早々に帰っていった。

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