泉水の特別講義

第346話

『改めて はじめまして、

 泉水イズミ 叶春かなはといいます!


 普段は政府の一員として活動を

 している者です


 ちなみに、政治には興味ないよー

 って人、手を挙げてください…


 

 んー、なるほど…


 全員手を下ろしてください・・・』




両校の1学年、総勢430人が一斉に挙げた手を

下ろした。

 



『 (政治離れが深刻だわ…


  ってか、ジュエルは挙げちゃダメでしょ

  一応、政府の人間なんだから…)



 ・・・はい、気を取り直しまして、


 

 本日は女性もたくさんいますので

 是非、ご意見いただきたいですね


 もちろん、男子生徒からも



 えー、というのも 私はですね


 “世界で女性が受けている差別を

  根絶したい“


 そう 思っています』




冒頭からインパクトのあるワードが飛び出し、特に女生徒の顔付きが変わった。




『もちろん、今の私にはそうする

 権力ちからはありません。


 政府には所属していますが、

 近いうちには… そう思って話しますね』


 

泉水は政府の一諜報員であるが、

夢は大きく、日本初の女性総理大臣になることを掲げている。


その為に自分が何をしたいかを語った。




『現状、生まれながらにして不利だと

 感じる女性は多くいます


 この平和な日本でもです。


 特に、女性はこうでなければならない、

 と押し付けられがちであったり

 イメージにも苦しめられることも

 しばしば…



 昔と比べたら幾分かは改善されては

 きましたが、それでも

 社会的には男性が優位な事も多いですし


 働いても、家事は女性中心になりがちで

 まだ根っ子の部分は変わっていなかった

 りもしますよね?』




ホワイトボードに具体例を数件書き込み、

不遇さをわかりやすく説明する。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る