❀EP3. 白い花の夢❀
第290話
…―――――
―――――…
見たこともない女の人
初めて聞く声…
一面に咲き誇る 白い花のなかで
僕に語りかけるように
ふわふわと 浮かぶ 言葉…
…――――――――――――――――――――
疲れ果ててしまったときは
心を飾った布を
ハダカノココロになって…
頑張らなくていいよ
なにも急ぐことはないよ
そのままの君でいてよ
たとえ世界が駆け出しても
なにも変わる必要なんてないよ
君のせいなんかじゃない
雨のせいにでもして
いまはただ この空気を吸い込んで
悲しいメロディをはきだすだけ
いつか雨があがったら
きれいな虹がかかるから
いまはただ この空気を吸い込んで
哀しいメロディをはきだすだけ
たとえ雨が止まなくても
いつかはかならずやってくるから
虹を連れて
――――――――――――――――――――…
目を覚まし、夢だったのだと気付く。
枕が濡れていた。
頬に残る冷たい跡。
僕は、母親の温もりを知らない。
だけど もしも母親が居たら…
こんなふうに やさしい声で
話しかけてくれただろうか
僕が涙したのは
心の何処かで追い求めていた存在…
それに近づけたからなのかな
心の内側を見たような夢…
そんな日には、いつも感じる。
心はどこかで 誰かと繋がっている
同じ景色を共有できる
これから起こる未来でさえも…
そう、感じる。
誰かが僕の心と繋がってくれて
同じ夢を見たのかもしれない
優しい色の花… とてもキレイだった
ありがとう。
涙のあと 気持ちが晴れていくこの瞬間
虹が見えそうな この瞬間が好きだ
その気持ちに引っ張られて、
涙ごと好きになれた
雨のち晴れ。
誰かのために 何かをしてあげたい。
誇らしいほど 優しい気持ちになれた。
❀EP3 白い花の夢 The end❀
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます