第280話

そこで、ジュエルは とある男に

連絡を入れてみることにした。





「お久しぶりです


 …良かった…


 ご無事で」




ジュエルさんもお元気そうで、何よりです


 泉水さんも特にお変わりは

 ありませんか?」





「えぇ、彼女は 僕よりも元気ですよ


 理人さんも研究の方は順調ですか?」





「なかなか難しいですね


 残りわずかとなった、貴重な試料を使い

 四苦八苦していますよ


 ですが、少しばかり進展はありました


 あ、

 …ジュエルさんが連絡をしてきた

 内容は、なんとなく想像がつきます」




「…もしかして、理人さんも疑問に

 思ってましたか?」





「はい、疑問に思い調査をしておきました


 ひょっとしたらジュエルさんから

 連絡いただく頃かな…とも思いまして」





「さすが…


 仕事が早いですね」




理人は調査した内容を、ジュエルに伝えた。真相に至らぬまでも、情報としては十分なものであった。



「黒鎌氏の身柄拘束…


 朽笛高校 反勢力部隊の壊滅??


 そんなことがあったんですか?


 何がどうしてそうなったのかは

 わかりませんが…

 物凄く衝撃を受けています



 でも、

 よくそんな情報を入手出来ましたね?」





「政府らしい情報操作で…随分と

 そこに行き着くまでに時間がかかり

 ましたよ」





「では、黒鎌氏が表舞台に現れることは

 これで無くなったということですよね?」





「…そうですね


 そう、私は認識しています」





「そうですか…


     …良かった…



 (反勢力派…


 あの台苑条さんが 

 壊滅に追い込まれたということ

 なのか? 信じられない…


    …想像も出来ない…) 」





 ”10月から先の未来が視えねぇ”




「あ…!


 (あのとき…

       確かに…) 」






ジュエルさん、


   どうされました?」






「あ、いえ

 

 理人さん ありがとうございます


 おかげで少し理解が捗りました」





ジュエルさん…


 何かあればいつでも連絡してください


 あなたの為なら


 私はどんなリスクも厭わない


   …約束します」





「ありがとう…理人さん


 あのとき、

 連絡先を教えて頂いて良かった…


 でも、ご自身の安全を第一に

 してくださいね?


 僕の方は大丈夫ですから」







「あなたは優しい人ですね


 白い花のイメージそのままに」











✿EP1 風の噂  The end❀

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