第268話

「あぁ、確かにそんな話をしたよね?


 じいちゃんに言われて、

 それをきっかけに自分でもいろいろと

 考えて…

 

 それで 

 そんな風に思うようになったんだ」




『自分で自分を褒める

 …って、そんな発想は私にはなかった

 から 初めて聞いたときは、すごく

 感動したのを覚えてる…


 たまには思いっきり泣いてみるのも

 いいことなのかもね』




さらに、ジュエルは言葉を加えた。




「うん、涙が心の中に残ったままだとさ

 自分の声が 自分に届かないんだよ。


 心の底にいる自分は

 そんなに強くないから…


 涙をためすぎると、

 息継ぎができなくなって、

 すぐに弱っちゃうからね


 だから、いっぱい泣いて、

 涙をなくしちゃって、

 心の底が見えたところに 

 自分の声を届けてあげるといい。


 もっと、自分を褒めてあげようね


 僕も そうしてみるから」




「もう、ジュエルくん

 まだ15なのに…

 どんだけ達観してんのよ〜?


 そんな風に言われたら、

 今泣いちゃうわ…」

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