第265話
―――――…
「…その職場の方、
なかなか気づかないかもね
自分中心の人って 自分を俯瞰して
見るのが苦手だから、
周りからどう思われてるかなんて
あんまし気にしてないんじゃない?」
『そうなのよね…
私が独り身ってこと知ってる上で
彼氏自慢とか、旅行先のラブラブな話
とか マウント気味に語ってくるし
同期だからいろんな話はするけどさ、
ちょっと苦痛に感じることもあるのよ』
「いずみちゃん、可愛いから
そうやって上取りたくなったのかな?
そっか… いずみちゃんも
苦労してるね」
英フレンチシティの話は 職場の同僚の話
へと変わり、知らず知らずのうちに愚痴をこぼす泉水。
『どんな職場にも苦手な人っていると
思うけど、最初に出来た友達で
あんまし無下にもできないし
同期だから会う機会も多くてねぇ…』
「僕でよかったら、そういう話
いくらでも聞くよ?
ストレスは出来るだけ溜めないように
しなくちゃね」
話を聞いてもらい気持ちが軽くなった反面、
これまでを振り返るうちに、次第に自分の
悪い面ばかりが浮かび上がってきて…
『でも私って…ホントダメだなぁ
こうやって職場の人のこと
愚痴って悪く言ったり、
たまに口も悪いし
すぐにカッとなっちゃうしさ…』
「 (たまに?)
あんまし自分を卑下しちゃダメだよ?
完璧な人間なんて居ないんだしさ。
愚痴なんて ここだけで言う分には
別に悪くはないけど、
自分を責めるのはよくないよ?」
『あ…』
「?
どうしたの?」
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