第262話

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泉水が目を覚ますと、病室の窓際に立つ

ジュエルの姿があった。




『あ、ジュエルくん!


 もう大丈夫なの? 体調』




「いずみちゃん!」


泉水の声にがばっ!と振り向くジュエル

目を丸くし 勢いよく駆けてきて…









がばっ!

…っと泉水を抱きしめる。





『きゃっ!

 ど、ど〜したの? ジュエルくん?

 そんな急に慌てて…!』





「よかった…

 無事で…!


 本当に… ほんとう に


            …!」






『朝からおどかさないでよ〜


 そんな、泣きそうになっちゃって…


 ちょっと卒倒して寝てただけなのに

 大げさだなぁ


 …よしよし… 


 イイコ イイコ! ふふっ!』





「あっ…


 (記憶、消したんだっけ?

 そういえば…。


 卒倒…って、英フレンチシティに

 行く前のあたりの話かな?) 」





『それより…ジュエルくん?



 その…  あのぉ…』






ジュエルに抱きしめられていることを再認識し、

泉水の顔が次第に赤く染まってゆく…





「あ…ゴメン!

 痛かった!?」





『ううん…大丈夫。



 

 あ… 離れないで…?


 …むしろ、このままがいいの…』





「良かった、僕も…


 ずっといずみちゃんを感じてたかった…」





泉水は赤面しながらも ジュエルの腕の中で 恐る恐る視線を上げて、超至近距離の瞳を見つめてみた




『 (あれ…?

   この状況でも卒倒しない…?


   耐性ついたから?


   …それとも…?


   ううん、それはもういいや



   初めてかな… こんなにまじまじと

   見ちゃってるの・・・


   もう その瞳に吸い込まれちゃう



   はぁー… かっこいい…) 



 

  ジュエルくん… 


            私…』






コホン…





2人きりの病室の中、突然聞こえてきた

小さな咳払いの音…。



慌ててその発生源に目を向けると、、、





『せ、医師せんせい!?』





がばっ!と距離を置き、

姿勢を正してベッドの両隅に正座する2人…

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