第45話

「新しい学校はどうだね?


      楽しいか?」



「うん、みんな親切にしてくれるし

 

   …朝寝も、昼寝もできるし」



「勉強はせんといかんだろう?


    高校生なんじゃから…」



「ウチ、授業がヌルすぎるから…

       つまんないし…」



「まぁ、お前が楽しそうな顔を見れたから

 良しとするがの… ほほほ」




と、雑談をしている最中だった。




  キィー…ン


   キィィーーン…


    キィーーン…






ジュエルの脳内に響く音。






「あ、ゴメン!

 帰ってきて早々で悪いんだけど…


 僕、また行かなきゃ


 あ、テキトーに過ごすから

 心配しないで? こっちは大丈夫!


 じいちゃんの顔も見れて、

 嬉しかった!




 大好きだよ、じいちゃん




       …じゃね!


 みんなには、うまく言っといて!」





タッタッタッタッタ…






「また…

  

  行ってしもうたか…」






老人は寂しげな顔で ジュエルの背中を目で追い、その姿が見えなくなってもしばらくの間、その場に立ち尽くしていた。

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