第23話

ジュエルくん…

 ちょっとだけお話、いいかしら?



(なんとか、顔を見ずに言えば

 会話にはなるかしらね…。



  ・・・アレ?

    反応がない??) 』



焦って視線を向けると、不覚にも

泉水はジュエルと目を合わせてしまった!




すると、眠そうな目をこすりながら、

ジュエルは泉水を見つめて言った。




「おやすみ、いずみちゃん」




❥❥―ズキュ――――ン➢



ズキュ―――――ン…



ズキュ―――――ン…



ズキュ―――――ン…



ズキュ―――――ン…



(お願い!!


 そのお顔で、見つめたまま

 私を呼ばないでぇ〜〜…!


 反則よ!!


 イエローカード2枚目!!)



泉水は卒倒しかけてしまい、

かろうじて保った意識を両手で握りしめ、

魂が抜け落ちる限界付近で、

そのまま、猛ダッシュで教室を後にした。


イエローカード2枚で退場したのは

泉水の方だった。




( "イケメン嫌いの私" が!


  この任務に最も適した私が…!




どうしてぇ〜〜〜〜〜!? )






瞳に込められた魔力。

絶大な破壊力を誇るイケボ。


何気ない言葉をかけられただけで、

泉水の心奥深く、乙女の部分を何か

鎖で縛られたような、支配されたような…


不思議な感覚に陥り、任務遂行の難しさに気付かされる泉水だった。






「泉水さん…


 行ってしまわれましたか・・・」





廊下には、まだ収まりつかず

しゃがみ込んだままの竹宮先生。

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